古本屋で安いなと思って買った写真集二冊。「SESSIONS」と「ヴェルティージュ」。
SESSIONS はレイ・チャールズとかカーリー・サイモンとか、 BIG なアーティストの姿が拝見できる。
知らない人もたくさんいるけれど、多分名を馳せた人なんだろうと思わせられる。
SMALL や MIDDLE の人はここではほとんど見当たらない、
これは選ばれた人間のみが住むことができる、ユートピアといえる本なのである。いや、違うかも。

撮影者のNORMAN SEEFFさんは有名人を撮ることでは有名な写真家であるらしい。
でっかくて重たい表紙を開くと100名以上の人が集っていた。
ピカピカに輝いたような顔やじんわり燈っているような顔や芯の強い炎のような顔。
気を許した仲間といっしょになってるような表情が続く。




これは目の前にNORMANさんがいるときの顔なのだった。
NORMANさんは誰とでも仲良くなれるのだろうか。
そうかもしれない。けれどそれは単に、セッションしてきたことの結果なんだ。
ぼくはいつも彼らの最高の写真をこのフィルムに収めたいと思ってるだけなのさ。
ぼくにとっての最高の写真はお互いが同じ場に立って、
意見を交わしあって気持ちを一つに近づける。
一緒に作り上げていくんだ。ぼくの写真が産まれるのはそんなときなんだ。
ということがこの本では示されている。
ムツゴロウさんも動物と仲良くなれるまでは大変そうだし
こないだもライオンに指をかみちぎられたと聞いた。
人間と動物を比較しては失礼だが、似ているところはあると思う。
ムツゴロウさんは動物とのセッションズで格闘しているのだ。




個人か、あるいは何人かのグループがある。
そこでは、その人たちだけの時間が流れていて、切り離された空間ができている。
NORMANさんはそこに手を差し出すように会話する。
NORMANさんに交わってそろそろとおもてに出た人達の
仲間として許した表情が写真となって自分たちに伝えられる。
そんな忙しそうなNORMANさんの姿を想像した。




ヴェルティージュは女子プロレスラー井上貴子さんのピンナップ風写真集。
レスラーでなく女の子として撮影されている。
あるいは撮影者の井ノ元浩一さんの前では女の子になってしまうのかもしれない。
NORMANさんはこのような彼女とセッションできるか。
などと意地悪く思ってみたが、見てみたい気もするな。




(maruyama)

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